大分苦しくなって来たところで、総司は手を離した。
「ほら…カナのこと、殺せないでしょ?」
「わ…わかっていたのか……?」
「総司の彼女だもん、それぐらいわかる」
ケホケホ咳をしながら、上半身を起こす。
総司は荒い呼吸を繰り返していた。
「てか総司、アンタ最近寝てないでしょ」
茶色く潤んだ瞳の下には、薄いけど隈が出来ている。
いつもは隈なんてない。
「寝なくちゃ駄目だよ?」
「…ハァ…ハァ……」
「ほら疲れたんでしょ。
大丈夫、カナは何もしないよ」
ニコリと笑いかけてあげると、総司はニコッ…と力なく笑った。
「おやすみ」
総司はふっと、目を閉じた。
そして、糸の切れたマリオネットのように、バタリとその場に倒れこんだ。
ひょこっと顔を覗いてみると、規則的な寝息を繰り返していた。
おやすみ、総司。
起きたらまた、あの笑顔を見せてね。


