「ブーケトス、始めまーす!」
司会を務めていた男性が叫ぶ。
女性客が集まっていく。
中には、花菜と知紗も混ざっている。
「紅羽は行かねーの?」
「ブウケトスって何?」
「ブウケトスじゃない、ブーケトスだ。
花嫁が後ろ向きでブーケを投げて、それを受け取った人が次の花嫁になれるんだ」
「ブーケって何?」
「……花束、で良いか?」
「へぇ。
まぁ良いや、私は行かないよ」
「良いのか?」
正直女性客の目、バーゲンセールに群がる人の目しているもの。
あんな怖い集団に入ろうと私は思わない。
「だって私、もう花嫁さん決定だもんね!澪鵺!!」
「だから紅羽は話が早いんだって。
…まぁ良いか」
澪鵺はスッ…と私に向かって手を差し出した。
「必ず迎えに行くから、俺の奥さん?」
「……」
バターンッ!
「紅羽!?」
「紅羽っ!?」
「どうしたんだ!?」
「てか何で鼻が血まみれなんだ……?」
「……俺、何か変なこと言ったか?」
澪鵺の発言に、
私は鼻血と恥ずかしさで、
気を失いました。
でもね。
大好きなんだ、本当に。
心から、そう願うよ。
澪鵺がずっと幸せでいられるよう、
笑顔でいられるよう。
私はずっと、
傍にいて、願っているから。
澪鵺もずっと、
私の傍にいてね!!
【END】