数分の短い取り調べを行ったオジサンたち―――改め、警察の人は、澪鵺にお礼を言って帰って行った。
警察の人には悪いけど、きっとこの事件は迷宮入りだ。
だって犯人は、私の愛しい彼氏なのだから。
「何で私に言ってくれなかったの?」
泣きすぎて腫れた瞳を、澪鵺へ向けた。
「紅羽が仕事をするの、俺は許せなかったから」
「だからと言って仕事する?」
「…紅羽を、守りたかった。
紅羽を2度と、血に染めさせたくなかった」
「だからと言って…!」
すると澪鵺は。
…普段私へ向けない瞳を、向けた。
それは、殺気だった。
普段穏やかな性格の澪鵺は、殺気なんて滅多に見せない。
見せるのは、怒りを露わにした時だけ。
いつも向けていたのは、私じゃない。
他の誰かのはずだった。
それなのに。
今の澪鵺の瞳は怪しく輝いている。
本来は美しい、と見とれてしまうような輝きだけど。
今は違う。
何でだろ。
紫色のはずなのに。
…何故、紅(アカ)に見えるのだろう?
…何故、血に染まったように見えるのだろう?
何故、
闇のように黒光りしているのだろうか?


