「お断りします。
停学も嫌ですし、俺はもう殺し屋ではありません」
「悪いですけど、断る権利はありません」
は?
「神崎クン、君が何をしたかわかっていますか?
先生方は、君を退学にした方が良いのではないかと言っております。
何も言わずにバルシーたちと戦った…これが何を及ぼすか、神崎クンならわかるでしょう」
「……」
「退学したくないでしょう?
玉置さんも、きっと哀しむはずですから」
紅羽……。
「本当はこれ、玉置さんに頼む予定だったんです。
ですけど、あのような事件が起こりましたから。
神崎クン、君に頼むことにしました。
……君にとっても、良いことだと思いますけどね」
紅羽に頼む。
それはすなわち、紅羽が殺し屋に一瞬戻るということだ。
紅羽が昔、俺の妹を仕事で殺したことによって俺が紅羽を憎み、紅羽に復讐するために親友を殺したことが、今でも傷になっている。
2度とそんなことがないよう、紅羽は殺し屋へ戻る道を嫌がっている。
その嫌がりようは、殺し屋を憎悪しているに近いと思う。
紅羽が、殺し屋に戻って良いことなんて何もない。
少しは癒えてきたであろう傷を、深くさせるだけだ。
だったら、
俺がその依頼を受けた方が良いんじゃないか?


