「よく来たね、座りなさい」
「はい」
俺は勧められた椅子に腰かける。
校長は、回転椅子を回し、俺に背を向けたままだ。
そのため、顔が見えない。
「神崎澪鵺、クンだね?」
「はい」
「生徒会長をしているだとか」
「え?…ええ、まあ」
反応が鈍くなったのには、理由がある。
…校長のくせに、俺が生徒会長って知らなかったのかよ。
「初めましてだな神崎クン。
ボクが、校長です」
「はぁ…」
何で初めまして?
確かに直接話すのは、初めてだけど…さ。
「ボクと会うのは本当に初めてなんだよ神崎クン。
だってボク、普段は生徒の前に現れないもんね」
「は?」
思わず素で接してしまった。
どういうことだ?
普段は生徒の前に現れない?
…じゃあ、文化祭1日目とか始業式などの式で挨拶をする校長は、一体誰だ?
今俺と話している人じゃないのか?


