「離してよ花菜!」
「離せないよ!
紅羽は、神崎の優しさを受け取らないつもり?」
「だって…!」
「神崎は紅羽の笑顔を守るために、紅羽のこと何も言わなかったんでしょ?
そんな神崎の優しさを、紅羽はドブに捨てちゃうの?」
捨てるわけじゃないけど…。
やっぱり、許せないよ……!!
「折角神崎が自分を犠牲にして紅羽を守ったんだよ?
それを無駄にしちゃ駄目だよ」
「知紗……」
「紅羽は大人しく、神崎の帰りを待ってあげな。
寂しかったら、家に行けば良いでしょ?」
「でもッ……」
「たかが1週間でしょ、紅羽。
神崎の帰りを、待ってあげなよ」
私はその場で泣き始めた。
子どものように、泣きじゃくった。
待とう。
澪鵺の帰りを。
1週間したら帰ってくるんだ。
それまで、待ってあげよう。
帰ってきたら、言うんだ。
澪鵺が守ってくれた、笑顔で。
「お帰り」って………。


