「嘘つくなよ、銀色。
父さんと母さんを殺したのは、僕だよね」
「銀…?
嫌、違う。殺したのは、僕だ」
「慌てているのが見え見えだよ。
今朝学校に来る前に、殺してきたんだヨ」
僕は自分で、
自分の世界を壊したんだ。
「僕の罪を被ろうとしているの?
ありがとう、銀色」
僕はそっと、手を伸ばす。
繋ごうとしない銀色の手を無理矢理掴んだ。
「僕らは2人でバルシーだよ、銀色」
「…銀……」
「あの2人、倒すんでしょ?」
「…壊そう、銀」
僕と銀色は、制服のポケットから銀色の柄の同じナイフを取り出した。
実はこれ、僕らが幼い頃、まだ離れ離れになっていない頃。
両親が離婚するのをきっかけに購入したもの。
自分の身は、殺してでも守ろうって。
「「…さぁ、壊そう」」
僕らは2人で、
…バルシー、だから……。