疑問を抱きながら見ていると。
後ろから、見知らぬ男が出てきた。
母親は嬉しそうに、腕を男に絡める。
男は微笑み、その唇をそっと塞いだ。
どういうことだ…?
もしかして、新しい父親か……?
銀は慣れているのか、荷物を持ちながら家へ入る。
その顔は無表情で。
僕の記憶の中で笑っていた、銀じゃない。
銀も…何かあったのか……?
「あの人、かなり社会的地位がある人みたいよォ?」
「アキラ…アイツのこと知っているのか?」
「調べた時に、少しね…。
銀色クンのお父さんと離婚した後、再婚したみたい。
詳しい出会いは知らないけどね。
あの人、政治絡みの仕事に就いていて、かなりお金持ちよォ」
だから銀も母親も、ブランド物なんて身につけているのか…。
家に入って行く新しい“月宮家”を見ていると。
…何だか黒い感情が湧いてきた。
僕は引き取られた後散々な道を歩んできたというのに。
何で同じ双子でも、兄とあんなに違うんだ。
片やお金持ちの家の息子。
片や親に捨てられた。
同じ親から生まれた双子のくせに。
…何でこんなにも違うんだよ……。


