いつも僕の隣には、銀がいた。
常に笑顔を絶やさない、銀が。
僕の自慢のお兄ちゃんだった、銀がいた。
なのに今は、いない。
身勝手すぎる両親のせいで、離れ離れになった。
会いたい。
会いたくて仕方ない。
銀なら、母親なら、僕を助けてくれる。
でも、家になんて帰れない。
きっと銀も母親も、こんな僕を見たら、あの人たちみたいになる。
あの…泣き叫ぶ僕をゴミのように見て行く、人のように。
涙を流しながら、銀を思いだしていると。
…どこからか、聞き覚えのある声が聞こえた。
公園を出て、声のする方に近づく。
辿り着いたのは、一軒の家。
表札に書かれた名字は、知らない名字。
でも、何でだろう?
何で聞き覚えのある声がするのだろうか?
僕は勝手に門をくぐり、家の敷地内に入った。
イケナイことだと、教わっていなかったから。
僕はこっそり、明りの灯る窓の方へ向かった。


