結び終えた私たちは、かなり遅れを取ってスタートした。
二人三脚なんて慣れていないから、足元がおぼつかない。
何で体育で二人三脚とかやらせるわけ?
…と、1人で逆ギレしてみた。
ふと隣を見る。
月宮くんは慣れたもので、足元もちゃんとしている。
羨ましい、なんて思ってみる。
「…バルシー」
誰にも聞こえないぐらいの小さな呟き。
でも私はちゃんと、その声を捉えた。
「…月宮くんなんでしょ?バルシーは」
私も同じく小さな声で言うと、月宮くんは聞こえたらしく、私を見た。
こちらをマジマジ見てくるので、私も月宮くんを見た。
「……バルシーは、危険ですよ」
それだけ月宮くんは言い、再び目線を前へ向けた。
「どういうこと?」と聞いても、反応なし。
バルシーは危険?
何でそんなに客観的な言い方なの?
まるでバルシーを知る第三者の言い方だ。
…何で?
何でそんなに他人事なの?
まるで…
自分じゃないみたいな言い方……。
そんなはず…ないのに……。


