その声は震え、小松くんは今にも泣きそうな顔を浮かべていた。
「ふざけるな…」
「小松くん……?」
「何が小松くんだよ…。
そっか…あーそうか。
知紗はアイツに行ったんだな。
そりゃそうだよな。
俺なんかと付き合えるわけないよな」
俺なんかと付き合えるわけない…?
何…?
紅羽も花菜も、小松くんも。
何を言っているの?
あたしの彼氏が、小松くん?
そんなわけないよ。
だってあたしの彼氏は、あたしを殴ったんでしょ?
あたしの彼氏は、大地でしょ?
何で皆、変なことを言うの?
…わからないよ。
何で小松くんは、こんなに哀しげな瞳をしているの?
何で今にも泣きそうなの?
何で何かに耐えているような顔をしているの?
…何が小松くんを苦しめているの?
……わからないよ………。
小松くんは自嘲したように笑い、そのまま教室へ入って行った。
哀しげな瞳も、その表情も変えることのないまま。
「……」
「知紗、どうしたの?」
大地が来て、肩を支える。
でもあたしは、何も答えることが出来なかった。


