でも俺は殺し屋だ。
そんな黒い気持ちを表には出さない。
顔はあくまで、笑みを浮かべている。
笑みを浮かべることで、相手を油断させるためだ。
「嬉しいなー恭真クンと帰れるなんて」
「そうなんだ…」
計画通りなくせに。
「あたし男って駄目なんですけど、恭真クンはホッとするなー」
「そうなんだ、ありがとね」
男好きに見えるけど…。
てか男嫌いなら、もっと態度に出るはず。
総司ぐらい出なくちゃ。
演技下手そうだね、この子。
「ちーちゃんが羨ましいなー」
「何で?」
「ちーちゃん、結構男に話しかけられるから」
知紗が男好きだと思わせたいんだ。
でも残念だね。
君は従姉妹だけど、知紗のこと何もわかっていない。
知紗は初め、クラスで浮いていたんだ、花菜と一緒に。
でもそこへ紅羽が話しかけ、紅羽に興味を持った俺が、レイと総司を連れて修学旅行の班を同じにしたんだ。
従姉妹のくせに、何もわかっていないんだ。
ま、この子嬉しそうに“ちーちゃん”と呼ぶけど、絶対知紗のこと好きじゃない。
むしろ嫌っているように見える。


