「どうしたんですか?こんな夜中に。
ご両親心配すると思うのですが」
「父さんと母さんのことなら心配しないで。
遅くなること、伝えてあるから。
それに今日、父さんと母さん遅いの」
「そうですか」
「“たまたま”ちーちゃんの通う高校の前に来たんだ。
そうしたら、恭真クンに会って」
たまたま…か。
その様子から見て、“たまたま”には見えないけどな。
俺のこと待っていたのか?
「一緒に帰ろう?」
上目遣いで俺を見つめる関島早苗。
外国人のように顔の彫が深く、夜でもよく目立つ外見をしている。
それにコイツ、自分がどうすれば可愛く見えるかわかっている。
コイツの目は、自信にあふれていた。
“あたしに落ちない男はいない”…そんな感じだ。
「良いよ」
俺がコイツにとって良い返事をしなかったら、コイツのことだ。
きっと知紗に危害が及ぶかもしれない。
…知紗を傷つけることは、俺が許さない。
「送るよ」
「ありがとう!
夜道、不安だったんだー」
不安じゃないな、絶対。
本当に不安なら、さっさと帰るはずだから。
…コイツ、本物の馬鹿だな……。


