昼休みを終え、人生初めての告白を済ませた私は、あたらしい自分に出会えた気がしていた。
 
素直になるって、自分の気持ちに正直になるって、すごく難しいことだけれども、突破口を開けばこんなにも楽なことなのだと思った。
 
そして5限目の授業が始まる5分前、私は自分の教室のドアを開けた。
 
すると、クラス内の女子の目線が一気に集中した。 
 
どの目も、キラキラと輝いている。

「ひゅうー。紗生、やるぅ」

「学校内で抱きしめあうなんてねー」
 
やんややんやと教室内はパーティのような騒ぎだった。

「見えたよー。窓からちゃんと」
 
由実がにへらにへら笑って言う。
 
見られてた!

「あの細くてかっこいい人、紗生の彼氏?」
 
声が飛び交う。

「あの人は……」
 
私は一息、ついて言った。