森村くんが苦笑して言う。
 
なんでこのふたりがここにいるのだろう。私はつい玖生に詰問してしまう。

「今日はダブルデート」
 
えへへと玖生が笑って云う。
 
何も知らずに電車とバスを乗り継いでここまで玖生に誘(いざな)われ、気がつけば森村くんと大地くんと私は対面している。

「ダブルデートって……」
 
さすがに私も驚いた。

「だってえ、森村くんに誘われたんだもん」
 
私は、今度は森村くんをキッと見た。彼は鼻の下を人差し指で拭ってイヒヒと笑っている。
 
つきあうつもりはない、そう断言したのに、まだ諦めていないのかこの男は。

「まあ、いいじゃん。楽しくやろーぜ」
 
大地くんがあっけらかんと云う。

「さあさあ、ゲートくぐって。まずは何乗る?」

「ジェットコースター!」
 
ぴん、と片手を揚げて玖生が元気に返事をする。

「賛成。やっぱそれだよな」

「行こ行こ」
 
大地くんと森村くんが玖生の言葉に乗っかる。

「ジェットコースター……」