眉間に皺をよせ、ほんの少しだけ顔を左右に振った。 先生は一瞬、あたしの髪に視線を向けて目を細めた。 いくら夏場とはいえ、濡れた髪で登校してくるはずがない。 香水の匂いだって尋常じゃないことに気が付くはず。 自分が香水をつけたのではなく、誰かに故意につけられたと感づいてもいいはずだ。 あたしから言えば「担任にチクった」として愛海達から攻撃を受ける。 でも、先生が気付いてくれたのならば……――。 そんな淡い思いにかけて先生を見つめる。 けれどすぐにそんな思いは裏切られる。