ギュッと拳を握りしめて愛海を睨む。 「ふーん。そんな目できるんだ?悔しい?」 愛海は冷めた目であたしを睨み返すと、手に持っていた瓶のふたを開けた。 そして、その瓶の中身をあたしの頭の上に振り注いだ。 ドポドポドポと頭から髪を伝って頬に落ちてくる甘い香りの液体。 「愛海ってばナイス!これだけ香水かければもう臭くないね!って、ある意味逆にクサくね~か?」 ゲラゲラ笑う千代の声なんて耳に届かない。 ただ時が止まったみたいに、髪から滴り落ちる香水の粒をジッと見つめていた。