この日、朝から愛海は苛立っているように見えた。


教室に入って来るなり、愛海はあたしの机を蹴り上げた。


「うぜぇんだよ!!」


金切り声をあげる愛海をあ然と見上げる。


「あーーーもう。アンタの顔見ると虫唾が走る。マジ、学校来んな!!」


愛海は叫びながらあたしの髪を掴むと、勢いよく引っ張り上げた。


ブチブチと何本か髪の毛が抜けた音がした。


「痛い!!」


思わず席から立ち上がり抵抗すると、それが愛海の怒りに火を注ぐことになった。