クラスメイト達はあたしを押しのけるように職員室から出て行った。 だけど、一人だけそっとあたしに近付き声をかけてきた。 「楓子ちゃん」 「ミチル……ちゃん。あっ、さっきは本当にごめんね。油かけちゃって……」 油をかけてしまった数人の中にミチルちゃんもいた。 「いいのいいの。あたし、ほとんどかかってないし」 ミチルちゃんはニコッと愛嬌のある笑みを浮かべてブンブンと手を顔の前でふる。