あたしはとんでもない人間をいじめていたのかもしれない。 新村の目の奥底に漂う真っ黒な闇に体中がブルブルと震える。 「ってことで、そろそろ死んでね」 新村はニコリと笑うと、掴んでいたあたしの腕をパッと離した。 「え……?」 そして、あたしの胸を両手で勢いよく押した。 足が宙に浮き、体が水平になる。 あっと思った時にはあたしの体は落下を始めていた。