「今の状況を伝えてみれば?友達なんだし、すぐに助けにきてくるはずだよ」
耳に押し当てられたスマホ。
3回目の呼び出し音の後、愛海の高い声が耳に届いた。
『なに?ちょっと今忙しいんだけど』
不機嫌そうな愛海の声。
慌てているせいでうまい言葉が出てこない。
「あ、愛海!?あたしだけど。今、西園寺カンナの家にいて……――」
『あー、今忙しい。あとでにして』
電話口から聞こえてくるのは、テレビの音だろうか。
辺りはテレビの音しかしないし、忙しいという愛海の言葉は信じられない。
愛海はあたしが一大事だとは知らない。
危険だという状況を一番に伝えるべきだ。



