「あたし、誰かに暴力振るわれたの初めてだったからすっごく怖かったよ~!!パパだってカンナに手をあげたことないもん」
「ごちゃごちゃうるせぇな!!さっさとこのロープを外せ!!ぶっ殺すぞ!!」
頭にカーッと血が上って汚い言葉で罵ることしかできない。
けれど、すぐにそれが得策ではないと気付いた。
カンナはバカだ。
典型的なお嬢様で頭の中は空っぽ。
下手に出ればこのロープを解いてくれるかもしれない。
「ご、ごめん。今のは冗談。お願いだからロープを解いてよ?」
「嫌だよぉ。だって、千代ちゃんってばロープを外したらカンナのこと叩くもん」
「叩かない。もう叩かないって……。叩いたことは悪かったと思ってるよ」
「本当?」
「本当だって。信じてよ」
潤んだ瞳で見つめるカンナにニコリと笑いかける。



