何なんだよ、この家。
玄関先には高そうな熊の置物や絵が飾ってあった。
「ねぇこの熊の置物、何で毛がくっついてんの?」
つるっとした質感の熊の頭に長さのバラバラな金色の毛のようなものがくっついている。
それが後から付けられたと素人目でも分かる。
「あっ、それ?金色の髪の毛をつければ熊がライオンみたいになるかと思って。でも、ダメだった~。失敗作なの」
「熊がライオンになるはずないじゃん」
「ふふっ~。だね~~」
やっぱこいつ大バカだ。
心の中で呟きながら靴を脱ぐ。
玄関だけでうちの5倍はある。
部屋にでもできそうな玄関の大きさに驚愕した。
上がりかまちの上のスリッパに履き替えると、ふと玄関わきに置いてある車いすに気が付いた。
「アンタって年寄りと一緒に住んでんの?」
開いたまま置いてある車いすが気になりそう尋ねるとカンナはクスッと笑った。
えっ……?
それは何故かぞわっと全身の毛が逆立ちそうなほど邪悪な笑みだった。



