あたしはバッグの中に財布やハンコを押し込む母の背中にこう告げた。 「さようなら」 たった5文字のお別れの言葉。 母は聞こえているはずのあたしの言葉を無視した。 それがすべての答えだった。 あたしはこの先もずっと母に認めてもらえることなんてない。 兄以上の愛情なんてもらえない。 学校を辞めさせられたあたしはこの家庭という鉄格子のついた檻の中で、母という看守に一生監視されながら生きていくことになる。 そんなの耐えられない。