「明日香もコウちゃんにお願いしなさい!」
「な、何を……?」
「コウちゃんったら、地元の大学に進学するなんて言い出したのよ。コウちゃんなら、都内の一流大学にでも余裕で入れるのに。せっかくここまで頑張ったのに、そんなのもったいないじゃない!!隣の小林にも鼻で笑われちゃうわ!!」
「お母さん……。そんなのお兄ちゃんの好きにさせてあげたらいいんじゃない?大学に通うのもお母さんじゃなくてお兄ちゃんでしょ?」
「そんなのですって!?」
激昂した母は腕を振り上げると、あたしの頬に手のひらを叩きつけた。
ぱしんっという音の後、左頬にピリピリとした痛みが走った。



