「……――ただいま」 家に帰り玄関の扉を開けると、リビングから声が聞こえてきた。 「……――なの!?コウちゃん……でしょ!?お願いだから……――」 狂ったように叫び散らすその甲高い声に胃がキューっと痛む。 何事かとリビングの扉を開けると、ソファに座る兄のコウキの前に母が座り込み土下座をしていた。 「ちょっ……どうしたの?玄関まで声が聞こえてたけど……」 「明日香……――!!」 母は弾かれたように立ち上がると、あたしの手を引き兄の前まで連れてきた。