その日から、少しずつ……けれども確実に歯車が狂っていった。
その一つがクラスメイトだ。
以前は愛海を恐れるあまり、愛海の機嫌を損ねないように気を付けていたクラスメイトが手のひらを返したようにカンナ側についた。
「カンナね、イジメする人って大っ嫌い。一対一でケンカするのが怖いから、みんなで一人の子を攻撃するんでしょ~?そういう弱虫って嫌だよね~」
これみよがしの大声でそう話すカンナ。
「みんなで仲良く生活した方が楽しいのに、イジメなんてくだらないことするなんてバカだよねっ!」
その周りにいたクラスメイト達が「うんうん。カンナちゃんの言う通りだね」と頷く。
カンナと仲の良い新村はいつのまにかすっかりクラス中に溶け込み、『楓子ちゃん』と呼ばれて慕われている。



