「明日香ちゃ~ん、ねぇ、あの事件って何か展開があったの?」
「いえ……とくには。あたしもよくわかりません」
「怖いわよね~!高校生が母親と彼氏を殺しちゃうなんて!!そういう小説ってよくあるじゃない?そんなのが身近で起こるなんて信じられないわよねぇ」
「……そうですね」
話を合わせながら頷くと、小林さんは伺うような口調でこう尋ねた。
「そういえば、コウちゃんってさ、どこの大学受けるの?もう決まったの?」
……ふぅん。そういうことか。
小林さんがあたしを追いかけて世間話までして聞き出したかったのは兄のことだ。



