母と恋人の死体が転がる部屋で大の字になると、あたしはゆっくりと目を閉じた。 息を吸い込んで意識を集中させる。 顔も覚えてもいない父と優しい母と手を繋ぎ歩く幼いヒカリ。 お金持ちではないけれど、毎日笑顔の絶えない温かい家庭。 休日は父と母と公園へ行き、帰りにアイスクリームを買ってもらう。 誕生日には毎年年の数のろうそくを立てて火を消してプレゼントをもらう。 クリスマスには、チキンとケーキを囲んでパーティをする。 ありきたりだけど、一度も手にしたことない幸せ。