全身が疲労に包まれていた。 人を殺すということはこんなにも労力を使うものなのか。 壁に寄りかかり目を閉じると、遠くの方からサイレンの音が聞こえた。 騒ぎに気付いた隣の住人が警察を呼んだのかもしれない。 母と哲を自分の手で殺(あや)めたことに後悔なんてしていない。 むしろすがすがしい気持ちだ。 あたしはすべて失った。 母親も、彼氏も、友達も、何もかも全部。