「ヒカリ!!やめなさい……――!!」
腰を抜かしているのか立ち上がることすらできずにそう叫ぶ母の言葉を無視して、あたしは哲に微笑んだ。
「刃物って抜くとダメなんだって。抜くと血がいっぱい出てきちゃうんだって」
カンナがあたしにしたようににっこりと笑ってそう説明する。
「やめてくれ……俺が……悪かった……助けてくれ……」
ゴボッと喉に溜まった血を口から吐き出す哲。
命乞いをする哲はあたしが大好きだった強くてたくましい哲とは別人のようだった。
「ふふっ……もう楽にしてあげる」
哲の首から力いっぱい包丁を引っ張ると、ようやく抜けた。



