「……――つーか、凜子さんからも言ってくださいよ。あいつ、マジしつこいし」
「そんなこと言わないでよ~。ヒカリはあたしの一人娘なんだから。大切にしてあげて」
男の声に聞き覚えがあった。
ドクンッと全身の血が逆流していくような感覚。
自然と息が荒くなる。
足音を立てないようにそっと寝室に近付いていく。
「ハハッ。大切にしてあげてとか良く言えますよね~。自分の娘の彼氏と寝てるくせに」
「いいじゃない、たまには。あなただってヒカリよりあたしと寝た方が楽しいでしょ?」
「ですね。ヒカリってガキだし、色々疲れるんすよ」
寝室の扉の前までたどり着き、あたしは力いっぱい扉を開けた。



