アパートの前までたどり着いた時、ふとあることに気が付いた。 部屋の電気がついている。 「お母さん……?」 もしかしたら、母はまだ出勤していないのかもしれない。 よかった。一人にならずに済む……――。 あたしはアパートの階段を駆け上がってはやる気持ちを抑えて鍵穴に鍵を差し込んだ。 玄関の扉を開けると、昨日と同じ男物の靴が玄関に置いてあった。 また男か……。 落胆しながら革靴を脱いでいるとき、奥の寝室から話し声が聞こえてきた。