「ていうかさ、髪なんてどこで切るのよ」
「ん?すぐそばに土手があったでしょ?あそこはどう?」
「土手?はさみがなくちゃ切れないでしょ?」
「あぁ、それなら大丈夫だよ。ちゃんと持ってるから」
カンナはニコッと笑いながらバックの中を漁り始めた。
「ほらねっ~。すっごい切れ味がいいんだよ!」
カンナの取り出したはさみの先端がきらりと怪しく光る。
大丈夫……だよね。
急に不安が込み上げてくる。
けれど、断るわけにはいかなかった。
もう3万円はあたしのポケットの中。
希望の膨らんだ今、その3万を返すことはできなくなっていた。



