「え~?どうして愛海ちゃんが怒ってるの~?」
一触即発の状況が分かっていないのか、カンナは首を傾げる。
「ごめん、あたしもう帰るから」
あたしはそう言うと、上履きを乱暴に下駄箱に押し込んで靴に履き替えて走り出した。
「そんな大事そうにしちゃって。やっぱりパンが大切なんだね~」
背中にカンナのダメ押しの一言が突き刺さる。
……――うるさい。勝手に言ってろ。
もうあたしに失うものなんて何もない。
「ちょっと、ヒカリ……――!?」
愛海の声も無視してただただ走り続ける。
愛海達の驚きと困惑の顔が蘇る……――。
どうして……。どうしてこんなことに……――。
ショップ袋をギュッと抱きしめる腕に力がこもる。



