「え~?パンってトイレの床に落ちちゃったパンでしょ?あれ、ヒカリちゃんってば拾ったの?嘘~!トイレの床ってすっごーい汚いのにぃ」
目を丸くしてそう言ったカンナの一言に空気が凍りつく。
「は?トイレの床に落ちたパンって何よ」
愛海がカンナを睨みつける。
「ヒカリちゃんにパンをあげようとしたんだけど、ヒカリちゃんがいらないって言ったの。持ち帰ろうと思ってたら袋からパンが出てトイレの床に落ちちゃって。掃除当番さんが片付けてくれると思ってそのままにしてカンナと楓子ちゃんは教室に戻ってきたんだ~」
パンの入った袋を持つ手がブルブルと震える。
愛海も千代も明日香も、何も言わない。
心の中でドン引きされて見下されているに違いない。
3人のその沈黙が恐ろしかった。



