「ごめん、ちょっと交換はできないな……。あたし、足も遅いし石川さんは運動神経も良さそうだし……――」
そう口にした途端、愛海の後ろにいた太った子が声を荒げた。
「ハァ!?お前、マジ何様だよ!?愛海が変わってって頼んでんのに、何ヘラヘラ笑ってんだよ!!」
荒野千代だ。
175センチほどの身長に3ケタレベルの体重。
声も男のように低い。
怖い……――。
誰かに怒鳴られるのは初めての経験だった。
「わ、笑ってなんてない……――」
「あはははは!!見て、この子超怖がってるよ~!!」
千代に怒鳴られて怯えるあたしを指差しケラケラ笑うのは山田ヒカリだ。
その後ろには口元に薄らと笑みを張り付けている広川明日香が立っていた。



