そして、入学してから2か月が過ぎた6月。
汗ばむ陽気が続いていたこの日、あたしはある大失態を起こした。
これが、地獄への入り口だった。
「ねぇ、新村さん」
今まで一度も関わったことのないクラス一派手なグループの石川愛海に声をかけられた。
そのあまりにも綺麗な笑みに女であるあたしですらドキッとしてしまった。
手足も長くまるでモデルのようだ。
まとっている空気も独特で、いつも甘い香りを漂わせている彼女は自分とは別世界の様な人間だった。
「うん、何かな……?」
「あのね、今度の体育祭のことでちょっとお願いがあって」
「体育祭……?」
愛海が言うには、愛海のでるリレーとあたしの出る障害物競争を変えてほしいということだった。



