―― 「・・・家着いたんで、もう大丈夫ですから」 「ねえ、一人って寂しくない?」 「あの、ドア開けさせてください」 「ねえ、一人って寂しくない?」 「ド「ねえ、一人って寂しくない?」 ずいっと寄ってくる端正な顔。 近づいたことによって先輩の香りがする。 バニラみたいな甘い香り。 そして気づく。 「先輩近いです」 「ねえ、一人って寂しくない?」 ・・・もうこれで分かっただろう。 この人、かなりしつこいのだ。