コツ・・・コツ・・・コツ・・・

足音が響く。長い廊下にはそれ以外の音はしない。

その足音はある扉の前で止まる。

「いいよイハド。出てきて。」
「わかった。」

黒い軍服を着た二人は、扉に手をかけた。


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「遅かったねラーくん、体は大丈夫かい?」
「すみませんでした王様。もう大丈夫です。」

この方はこの島の王、オルトレア・ディンドラン。鍛冶の天才で、この島の47代目の王だ。かなり社交的らしく外によく出ているらしいが、直接話すのは初めてだ。