「ふー…うんごめん…とりあえず名前教えてもらっていいかな?」

落ち着きながら優しい口調で少女に尋ねると

「人に名前を聞くときはまず自分から名乗りましょう」

あ…もうダメだ…
怒りが収まらない
だがしかし!
同じ過ちはしない!

「ごめん…僕は陽大(ようた)ってゆうんだ!
皆んなから陽って呼ばれてる
君の名前は?」

「……………あすは」

よし、大人な対応できた!

「あすはちゃんってゆうんだ!
いくつか聞きたいことあるんだけどいいかな?」

少女は少し警戒しながら頷く

「歳はいくつ?」
「………………10」

「怪我はない?」
「……………コクッ」

「お父さんやお母さんは?」
「…………………………知らない……」

「はぐれちゃったの?」
「………………………………コクッ」


あれ…徐々に目が潤んでる…
もしやこれは…

「うわぁぁぁぁぁあん…」

…やっぱりか
なくよな普通
心細いだろうし
どうするべきかわからないだろうし…
どうしたものか…