日が暮れて、
桜並木の周りに設置された
ライトが点灯した。

「夜桜きれい。」

「そんな桜好きなのか?」

「キモたんだって」

「そりゃい一応生徒だし、
帰んの確認してからじゃないとですね。。」

「はいはい。
。。。。。
キモたんの言う通り、
少し私弱ってたのかもなー。
今までこんなに桜見てたことないのに、
こんなに見てるってことは。。。
でもさ、桜、すきだな。
桜の思い出。初めてできた。」

「。。。。飯田?」

「何?」

「花より団子かと思った」

「はぁーーー?」

「ぶっ。そんなキレることないだろ?」

「まぁ間違ってはないんだけど」

「だろ?ぶっはは」

無言でも気を遣わないのはいい。

「ほら、もーいい加減かえれ。なんだかんだで7時だぞ。」

「うん。。。」

「家まで送ってくから」

「平気。」

「。。。。ほら、笑え。」

両側から私のほっぺをつねっている。。

「痛い!もーなにすんのーー」

「はぁ。しかたないな。気がすむまで付き合いますよ。」

「頼んでないもん」

「ばーか」

。。。

ゆいはこの夜桜をボロボロな姿で、見ていた。

その時、
死にたい。
と思ったのだろうか。

そして菅さんに助けられて。。。

その思い出は
最悪であると同時に
救われたという、
いい思い出になったのだろうか。

。。。。

もう、これ以上私だけでは、
ゆいを知ることはできない。

会わなくては
前には進めない。。。

「キモたん。私。。。頑張る」


「?
まぁがんばれ。
ただ一つだけ。
何があっても死ぬな。
それだけは守るように。」

。。。。

「わかんないよ。死ぬかもしれない」

バチーン。。、
キモたんが思いっきり
ほっぺを叩いた。。。

痛い、、
けど、そうだね。
気持ちは痛いぐらいに伝わる。

わかってる。わかってるんだよ?

でもね。。。
償う方法が見つからなかったら?
。。。。

死なないなんて
軽々しく言えないよ。。。

「死なせない。絶対!絶対だ!
飯田は死なせない。どんな理由があっても!
わかったな?」

。。。。

「わかってるって!!大丈夫!
キモたんにはぜーったい迷惑かけないから」

「迷惑はかけろ。その代わり死ぬな」

。。。。
キモたんの顔は真剣で。。。
。。。。
もしかしたら、
キモたんも大切な誰かを
失っているのかもしれない。

。。。

結局、キモたんは
遅くまでいっしょにしてくれて、
家まで送ってくれた。

助けられてばっかりだ。。。

自分の部屋に戻り、
昔ディ◯ーランドで買ったお菓子の箱に
今日キモたんにもらった缶バッチを入れ、
机の引き出しに入れてあった、
まさとから貰ったブレスレットも入れた。

思い出。。。忘れたくない。。。