Not to memories

あっという間に中間テストの時期になり、
みんなピリピリしはじめる。
普段まじめに授業を聞いてない子でさえ、
どこが範囲かちゃんと聞き耳を立てて、
まじめに授業を受けている。

そんなみんなの姿が
あと何年もしたら、青春だったなーって思ったりするんだろうか。

辛かったり、悔しかったり、
その時は辛くても、
後で見返せば、
あの時はよかったなーって。

全てそう思えたら、
後悔って言葉は存在してない。

あの時こうしてれば、
そう思わないよう、
みんな必死だ。

私は後悔してばかりだ。
それは必死に
何かをしていないからなんだろうな。

みんなは必死に頑張ってる。


「飯田ちゃん!俺英語と数学だから」

あれ。いつの間に休み時間になってたんだろ。

「英語は小林さんに聞いたほうがいいよ。
ねっ?小林さん?」

「え?私?飯田さんの方が点数いいのに!
私無理だよーー。ごめんなさい。矢野くん。
教えられないよ。。」


「えー。こばやんおれを見捨てないでーー」

「小林さん大丈夫だって。私英語理解してないから。いつも適当だけど、小林さんちゃんと理解してるから」

「こばやーんまじたのむ!
もう一人中村ってやつもいんだけど、
まじたのみますーーー!」

「あっおれもさんかー」

「えっあ。。。滝口くんまで。。
えっとーー助けて飯田さん。。」

「小林さんみんなで一緒に頑張ろう」

小林さんを巻き込んじゃったけど
困った顔をしながらもなんだか嬉しそう。
大きく「うん」と頷いてくれた。

「でもまだ一週間あるから平気でしょ。
3日前ぐらいから、やり始めればいいんじゃない?」


「えええええーーーーーー」
「なにいってんだーーーー」
「。。。」

矢野くんと小林さんは驚いて、大声を出した。。。
なんかまずいこと言ったかな。

「飯田ちゃん。。俺も中村もむり。
3日前じゃやってないのと一緒だから」

「私もだよー飯田さん、
今までそんな感じだったの?」

「え?テスト勉強は。。。

あーごめんごめん。じゃあ今日からやる?」

テスト勉強なんてろくにしてない。。
テストの日、
電車の中で教科書読んでるくらいで。。。

そんなこと、今言ったら殺されそう。。

「じゃあきょー教室使うって、先生に言っておくね!」

「あっおれも中村にいってくるー。」

そして放課後、
矢野くんと中村くん、
小林さん、なぜかまさとが集まり、
勉強会をスタートした。

「何からやる??」

「英語」
「数学」
「あっ。。。」
「。。。」

なんだこのまとまりのなさは。。

「中村くん何がいい?」

「えっと。。あの、
僕は今回範囲が広いし、
暗記なら家でもできるし、
理解しないといけない英語と数学を
やりたいんだけど。

あっでも。。。数学だったら3日前でいいって
飯田さん言ってたし。。。」

「えー飯田さん。。無理無理。
数学3日前とか絶対無理だよ。
苦手なら先にやっておいたほうが、
中村くんも安心でしょ?
今日は数学にしよ。ねっ中村くん!」

小林さん。。。

「わかったー。じゃあ数学ね。
で、ちなみに範囲どこなの?」

「まぢー飯田チェンチェーまじたのみますよー
そこからなんっすかーー。

ここからここまで」

「じゃあ今から教科書見て、
私黒板に書くからここノートに書き留めて、
テスト前に暗記すればいけるから」

うちの学校の数学のテストは楽チン。
公式を幾つか覚えてれば、
大抵はいける。

私は教科書に載っている必要な公式を
5つ書いた。

「えっこれだけ覚えればいいの?」

「そんなミラクルな。。。」

「今から覚えなくていいから。
とりあえず、この公式5つを使って、
例題5つ解いて」


。。。。

「え?解いてみてよ」

。。。。。

「わかんにゃいやーい!!!」

えっ。。。

だめか。。

「わかった。じゃあ一つずつ解いてみるね。
あっ公式の意味とか考えたらキリないから、
考えないで。」

。。。

1時間みっちり例題5つを解き、
ようやく解き方のコツを習得したようで、
他のの例題5つも難なくみんなクリアした。

「よし、これができれば100点だから。
もー数学おわりーー。

じゃ今日はおわり。おつかれー」

「飯田さん本当にありがとう。
僕嬉しい。問題が解けて!!!
数学面白いかもーー」
そこまで思うとは。。
でも良かった。
どうにか数学で落とすことはなさそうだ。