私は中村くんの机に行き、
積み重ねられたノートを全て持ち、
一人一人に配布した。

「なんのつもりかなー?勘弁してよ。
矢野の友達なんだしさー。
仲良くしようよ」

「自分でやりな」

「中村くーん。なんとか言ってよ
この優等生ちゃんに。

中村くんは頑張ってもばかだから、
勉強させてあげてんのにねー。

宿題何度もといたら頭よくなんでしょう。

俺らは

お手伝い。

優しさってやつ」

「あっあの。。。飯田さん?
あの僕、そうなんだ。
だから気にしないで。。。」

「あんたねー。
勉強できないなら、私が教えてあげるから、
そんなんやんなくていい。」


「あん?少し可愛くって優等生だからって
少し調子に乗ってるん?」

アカさんの目が鋭くなった。
私に威嚇してるんだろう。
なんかつい手を出してしまった。
私もらしくないんだけど、、
ごめんね。矢野くん。。

「調子乗ってるのかなー私って。
私から見たら
調子乗ってんのあんたらだと思うけどね。」

「は?
俺らに喧嘩売ってるのかなー?飯田ちゃん」

「別に。
あんたらはなんで調子のっていいわけ?

私はあんたらより頭いいし、
あんたらより
調子のっていい理由少しはあると思うけど?

あんたらは、勉強もできなきゃ、
スポーツが抜群にできるわけでもないし、
人としても今最低なことしてるし、
そんな奴らが調子のらないでくんない?」

みんなが睨んでるのがわかる。。。
まぁ仕方ないよな。。
私もひどいこと言ってるし。。
でも気づいて欲しい。

「ってこんなことどーでもいいね。いい加減そういうのやめたら?中村くん。立って。ほら行くよ」

「じゃあ。失礼します」

中村くんを引っ張り出し、
私のクラスの教室に行った。


「中村くんごめんね。おせっかいして」

「いや。ありがとうというべきなんだけど。
ごめんなさい。僕。。。」

「初めてじゃなかったんだよね。

でもあの人たち恨まないであげて欲しい。
数分しか話した事ないけど、
本当はきっと悪い人じゃないと思うから。
迷うこと、自分を見失うこと、
誰にでもあるから。

中村くんも。
従う方が楽だったんだよね。
別に軽蔑してるわけじゃない。
でもさ
もっと楽しよう。」

「えっ。。。。」

「中村くんなんで、
真面目に再々追試なの?」

「えっあっ。。。」

「バカにしてるわけじゃないから。
あの中で浮いてたから気になってさ」

「実は。。。」

中村くんは一年の時いじめを受け、ずっと登校していなかったらしい。
ようやく2年でまた学校に行き始めたけど、
授業についていけず、補習授業を受けてしまう羽目に。。

そしてアカさんたちに遭遇し、宿題を毎回やっていたそうだ。
だが昔に比べたら、いじめを受けているわけでもないから、大丈夫って苦笑された。

「よく頑張ったじゃん。
学校に来れたなんてすごいよ。
それだけで十分前に進んでる。

あとは、私が勉強教えて追試受けないように
なればもーあいつらと関んなくっていいし、
中村くんも成績上がったら嬉しいでしょ。」