泣きそうな顔で、震える声でそういうコイツは勇気を出したんだなってわかる。 きっと、別に好きでもねぇ男にチョコなんてあげたくないだろうに。 「いらねぇよ。」 気づいたらそう言っていた。 そう、嫌なんだ。義理なんて。 今まで、義理でもいいからほしい、とか言ってたくせに。 「え……」 ポツリとコイツ1人、残して教室に戻る。