それから半月が経ったある日。
新店舗のオープニングセールで、俺は部長と共に新店のくじ引きコーナーにいた。
3000円以上ご購入のお客様にくじ引きをして頂くという、我が社のオープニングセールの余興の1つ。
開店から1時間が経った頃、くじ引きコーナーで使用するカメラが無いという事が判明し、部長が本社へ連絡を入れ、手の空いてる事務員が届ける事となった。
くじ引きで特賞が当たったお客様には、了承を得た上で写真を撮らせて頂く習わしになっている。
そして、1時間程してカメラを手にした事務員が到着した。
それが、あの時の女子社員………早坂小町だった。
当然、彼女は俺が見ていたとは知らず、顔を合わせても会釈するのみ。
食品担当のバイヤーと本社の事務員、ただそれだけの関係だった。
すると、部長が思わぬ事を口にした。
「早坂がここへ来たという事は………お前以外、誰も来たがらなかったという事か?」
「部長、解ってるなら、最初から私を指名して下さい!変に気を遣わないとならないんですから」
「ハハハハッ、悪かったな」
「もうっ!本当に相変わらずなんですから~!」
俺のすぐ横で、彼女と部長がフランクに話をしている。
俺でさえ気を遣う部長に、物怖じせず話す彼女。
俺の中で彼女の存在が、更に気になるモノとなってしまった。
彼女は配達がてらくじ引きコーナーを少し手伝ってから本社へと戻って行った。



