How much?!



気付けば、あっという間に大晦日を迎えていた。


何度も実家に帰ろうと思ったけど、姉夫婦を見たら、また自分が嫌いになりそうで。


姉はイタリア人のアルベルトさんと7年前に国際結婚をした。

2人はいつでもどこでもラブラブで、両親の前でも平気でキスをする。


まぁ、お国柄だと思えば何てこと無いが、今の私にはちょっと辛い。

心が干からび過ぎてる私には薬ではなく、毒にしかならなそうだ。


だから、両親には『仕事が忙しい』と嘘を吐いて、帰省するのを止めてしまった。


大晦日だというのに、普段と何ら変わらず。

私はボーっと時間が経つのを………ただ見届けていた。




21時を回り、漸く動き出す。

1日の終わりは、いつもお風呂。

今日は今年1年の汚れを落とす為、いつもより丁寧に身体を洗い、そしていつもより長めに浴槽に浸かる。


お風呂から出たら、年越し蕎麦でも作って食べようっと。


20代最後の大晦日は、少しばかり淋しい年越しになりそうだ。




お風呂から出た私は、肌の手入れを施し、髪を乾かす。

いつもとなんら変わらない光景なのに虚しさだけが募ってゆく。



ドレッサーの鏡に映る自分を見つめ、フゥ~っと溜息が零れ出した、その時!!

ベッドの上に放置してあるスマホが、突如震え出した。


どうせ、姉か志帆ちゃんからのメールかと思い無視していると。

何故か、震えが一向に止まない。


慌てて駆け寄り手にすると、間に合わず切れてしまった。

こんな時間に誰から?


視線を落とした先にある文字に、心臓がトクンと反応した。


―――――麻生大和