3階建てのアパートらしく、エレベーターは無い。
階段で3階まで上り、一番端が彼の部屋らしい。
スラックスのポケットから鍵を取り出し、玄関を開けた。
「とりあえず、入れ」
彼は私を待つ事なく、部屋の中に入って行ってしまった。
「あの、………時間がかりますか~?」
「ん~、ちょっと探すから……入って座ってろよ」
リビングらしき部屋の方から顔を出し、顎で中へと促している。
仕方がない、ここまで来て収穫無しでは帰るに帰れない。
せめて、志帆ちゃんに報告出来るような事をゲットしなければ……。
私は意を決して、部屋に入った。
玄関入ってすぐの右側に浴室とトイレらしきドアがあり、反対側にはクローゼットがある。
そして、突き当りがリビングのようだ。
リビングのソファに腰掛けると、頭上から温かい空気が降りて来る。
どうやら彼が付けてくれたようだ。
彼はリビングの隣りにある寝室らしき部屋で何やら探し物をしている。
クローゼットのような建具の開閉音が何度かし、そして彼が姿を現した。
「悪い、もうちょっとだけ待ってて」
「………はい」
彼はリビングボードの中を探し始めた。
一体、何を探しているのだろうか?
気にはなるが、それ以上にこの家が気になる。
部屋をぐるりと見回しても、『女』がいる気配が全く感じられない。
それどころか、必要最低限の物しかなく、生活感が殆ど無い。
イケメンだから、さぞかしモテて自宅に女を連れ込んでると思ってたけど、そうでもなさそうだ。



