「志帆ちゃん…………相澤さんは?一緒に乗ってましたよね?」
「あぁ、ここに来る前に会社の近くで降ろしたけど?」
「はっ?………じゃあ、何でその時に起こしてくれなかったんですか?!」
「おいおい、ちょっと待て。俺はお前を起こしたし、お前のダチも起こそうとしたけど、起きなかったのはお前だ」
「えっ?」
全く記憶に無い。
もしかして、昨夜コイツとのやり取りで興奮してて寝れなかったせいで、睡魔に勝てなかったって事?
………もしかしなくても、そうなんだ。
ヤバい。
完全に私が悪いんじゃん。
「す、………すみません」
不本意ながらも一応謝っておく。
後であーだこーだ言われても癪だしね。
鞄を手にして車から降りようとすると、
「渡したい物があるから」
「へ?」
「とりあえず、降りろ」
「………」
突然投げ掛けられた言葉に思考が停止したが、彼は颯爽と車を降りてしまった。
渡したい物って………何?
これは………どういう流れ?
もしかして、私を部屋に連れ込もうとする手口なの??
緊急大パニックに陥った私はドアノブに手を掛けた状態で硬直してしまった。
すると、いつまでも降りようとしない私に対して窓を叩く彼。
「おい!……降りないのか?」
どうしたらいいの~~?!
彼と視線を合わせないように俯いて、必死に逃げる口実を思い浮かべる。
だけど、経験値が低すぎて名案が浮かばず、万事休す!
すると――――。



