足下が少し寒く感じて身を捩ると。
――――ピピッ
ん? ん?? んッ?!
軽やかな電子音と閃光のような鋭い光が向けられた気がして重い瞼をゆっくり開けると、薄暗い中に蒼白い光が灯っていた。
霞んでいた視界が少しずつはっきりして来ると、その蒼白い光が携帯電話から発しているブルーライトだと判明した。
しかも恐ろしい事に、携帯のディスプレイを眺めているのは紛れもなく“奴”だ!!
運転席に座った状態で何やら写メをチェックしているようだ。
そういえば、奴が運転する車で送って貰う事になって……。
そんな彼に気付かれないように窓の外を眺めると。
「えっ?!……ここ、どこよッ!?」
見慣れぬ景色に思わず声を上げてしまった。
すると、彼は振り返り、恐ろしいほどの笑顔を向けて来た。
「アパートの駐車場だけど?」
飄々とした顔でサラッと言い切る彼。
「アパートって、………誰の?」
聞かなくても分かりそうなものだ。
自分のアパートでなければ、奴のアパートしか無い事くらい。
けれど、聞かずにはいられなかった。
既に車のエンジンは切られており、だから足下が寒く感じたのだと今更ながらに気付く。
もしかすると、だいぶ前にここに着いていたのかもしれない。
それよりも気になる事がある。
違和感のある隣りに視線を送り……。



